■ 私の薪ストーブ史 清水 英晴 さん

私の薪ストーブとの付き合いは20年前に遡る。

東京の西部にある我が家を立て替える事にした時、週休2日どころか隔週3日が始まった。

外出しなくても退屈しない家を考えていると、そのひとつが薪ストーブであった。薪の調達が大変だろうと思ったが、実は東京は薪の宝庫なのである。知り合いの植木屋さんに事情を説明すると二つ返事で薪用の木を提供してくれた。

東京は街路樹が多く、我が家の近くにはケヤキの並木が続いている。この枝の剪定で大量の剪定枝が出る、枝と言っても直径20㎝はゆうにある立派なもので、これを2トン車に積んで来て、家の前まで持ってきてくれる。焼却場に持っていくと車1杯で数万円の処理費がかかるとのこと。ケヤキの最高級の木を薪にして1年乾燥すると理想の薪がタダで調達できた。おそらく市内で初めての薪ストーブ付きの家ではなかったかと思う。

そして10年前に蓼科高原に家を建てる時も迷わず薪ストーブの設置場所を決めて、東京と同じダッチウエスト社の同じデザインのものを選び、型だけ東京より一回り大型にしたのである。ダッチウエストは焚き方が難しいストーブだそうですが、数年に一度の煙突掃除でも状態が良いと褒められる。蓼科高原での薪の調達は、裏山の間伐材を玉切りにして40キロずつ背負子で担いで下ろしたり、知人の林檎園の古株を貰ったりしたものを、斧で割って薪小屋に積み、1年分をタダで確保する。落葉松の枝を集め焚きつけにし、灰は庭や畑に撒く。

知恵と若干の手間を惜しまなければ、薪ストーブは究極のスローライフであり、薪運びや薪割りも健康作りにも最適で、それを楽しむのである。
薪ストーブの前でのオンザロックウィスキーはせめてものご褒美と考えて・・・

スタッフからのコメント

お庭の樹々の剪定からお孫さんの木の遊具まで何でもご自身でこなす清水さん。年々パワーアップされているご様子。見習いたいですね。
(スタッフ:兵藤)